タカアンドトシは北海道を憎んでいるんだって？
タカアンドトシが今も北海道を憎んでいるかどうかはわかんないけれど、僕がまだ北海道にいた8年ほど前までの状況ならそうだったとしてもおかしくない。
当時、全国的にもちろん無名だったタカアンドトシは地元北海道でもそれほど有名な存在ではなかった。むしろ全くと言ってもいい。Wikipediaを見てみて当時既に上京していたことすら全く知らなかったほどに。
しかし、タカアンドトシを僕はデビューする前から見ていた。タカアンドトシのデビューのきっかけになった「トミーズのよしもとのもと」を見ていたからだ。「よしもとのもと」は札幌に吉本が出来る際におこなわれたオーディション番組。小学校のとき「ゴールド・ラッシュ! 」に応募した僕が興味ないわけがない。
学年こそ一つ上だが同年代のコンビがネタをやってたことに驚いたし、真剣にお笑いを目指している友達を見つけた二人に嫉妬した。だから、ダウンタウンを崇めていた僕は決してその時のタカアンドトシのネタを面白いとは思わなかった。
「アレだったら俺でも出来るよ」みたいなよくあるバカな自尊心。今になれば二人の凄さは十分すぎるほど理解できる、本当に選ばれた人間なんだってことも。
しかしデビューしたところで、くすぶってた二人。その存在は北海道でも全く広がることはなかった。まず北海道のタレントがテレビに出るのなんてせいぜい情報番組のワンコーナーくらい。その少ない枠を獲得できてたのはお笑いでは、モリマン、笑ハンティング（北海道出身じゃない）くらい。で、主役は北海道を出てしまえば誰もしらないテレビ局のアナウンサーが幅を利かせてる。
多分、笑ハンティングってコンビは札幌に吉本が出来るってことで送り込まれてきたお笑い芸人なんだろうと今になって思うが、その笑ハンティングとあとアップダウンなんかもいたと思うが深夜にどう調べても名前が出てこないコント番組を北海道のテレビ局でタカアンドトシがやってた記憶が微かにある。正直どうしょうもなく悲しくなる番組だった。ありがちな4コマをそのままコントにしたようなクオリティ。明らかに「はねるのトびら」を意識していてまた悲しかった。札幌のテレビ局ではお笑い番組の作り方を知らなかったのであろうからしょうがないとは思うけど…まぁ酷かった。
だが、当時から「水曜どうでしょう」で確固たる地位を築いた大泉洋でお馴染みオフィス・キュー軍団は別格。今はわからないけど、その時はラジオ含め各局バラエティ等に出まくっていた。
お笑いじゃない人間がバラエティ番組を独占している状況。後輩達が東京で活躍しだした焦り。全てにおいて当時のタカアンドトシは相当苦汁をなめていたことだろう。（北海道ではまずタカアンドトシと大泉洋が共演しているところを見たことがなかったので、ペケポンで二組が共演しているのを見て非常に感慨深いものがあった。そう感じた人、他にもいたんじゃないですか？）
だが2004年のM-1で一変する。
タカアンドトシとしては北海道にいるころからやっていることは大してかわらないのに東京でテレビに出だすと急に北海道の人達が認め出した。
元々、日ハムが来るまで巨人しか興味ないようなミーハーな道民は東京のテレビに出てやっと認めるようだ。
大泉洋にしても東京で活躍してから普通に話題に出るようになった感触がある。いつだったかイケイケなころの「水曜どうでしょう」がゴールデンで放送したときでも視聴率惨敗だったような記憶がある。
全国区になり、北海道に凱旋するようになってもまだ、タカアンドトシは北海道を憎んでいた気がする。急に態度を変えた北海道の人達を。北海道にいる時と同じことをしてるのにな、と。
博多大吉は地元九州に惜しみない地元愛を注いでいるがタカアンドトシは今でもそうでもない。北海道出身の芸人や有名人達とつるんでいるようにも見えない。元々北海道を売りにするのは難しい。あえて言うなら震災前の田中義剛くらいだ。僕も北海道出身だと言っても、東京に来てで聞かれるのは「ウニ・イクラ・カニ毎日食べれていいな」もしくは、「ああ、大泉洋ね」くらいなもん。さらに武器になるほど北海道の訛りはない。要は普通なんだ。冬は尋常じゃないが、悲しいかなそれは体験してみないとわからないから言ってもしょうがない。北海道出身のミュージシャンはそれなりにいるが、だから売れたわけではない。タカアンドトシもそうだ。（田中義剛は青森出身なので関係ありません）
今ではいわゆる売れっ子芸人になったタカアンドトシ。北海道出身のしかも同世代の芸人が冠のゴールデン番組を持つようになったなんてホントに信じられない。けどタカアンドトシには北海道出身だなんてこと気にしないで『北海道の芸人』としてではなく、『日本』を代表する芸人としてこれからも活躍していってほしい。
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